水のコラム
井戸ポンプとは?種類や交換費用を解説

井戸水を生活用水や庭の散水に利用している家庭では、井戸ポンプが故障すると水を汲み上げられなくなる場合があります。交換を考えていても、浅井戸用と深井戸用の違いや、どの程度の費用がかかるのか分からず迷う方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、井戸ポンプの仕組みや種類、選び方、よくあるトラブル、メンテナンス方法、修理・交換費用の目安について紹介します。
井戸ポンプとは?
井戸ポンプとは、地下にある井戸水を地上へ汲み上げ、蛇口や散水設備などに送る装置のことです。家庭では庭の水やり、洗車、トイレの洗浄水などに利用されるほか、水質を確認したうえで生活用水として利用する場合もあります。
また、井戸水を家の複数の蛇口へ送る設備では、必要な水圧を確保する役割も担います。井戸があっても、水面の位置や配管の長さに合わないポンプを取り付けると、十分な水量が得られません。そのため、用途だけでなく、井戸の条件に合う機種を選ぶことが肝心です。
井戸ポンプの仕組み
電動井戸ポンプは、モーターで羽根車を回転させ、吸込側と吐出側の圧力差を利用して水を移動させます。汲み上げた水は給水管を通って各設備へ送られ、家庭用の自動式では蛇口の開閉に合わせて運転を制御する仕組みです。
一方、地上に設置したポンプで井戸水を吸い上げる方式には限界があります。例えば、浅井戸用ポンプの吸上高さは機種によって7~8m程度が目安で、それより深い位置に水面がある場合は深井戸用の方式を検討します。ここで確認するのは井戸の底までの深さではなく、水面とポンプの高低差です。
また、本体だけでなく、吸込管、逆止弁、圧力を検知する部品なども給水に関係しています。
手押しポンプと電動井戸ポンプの違い
手押しポンプは、ハンドルを動かして内部のピストンなどを作動させ、人の力で井戸水を汲み上げる装置です。基本的に電源を必要としないため、停電時の備えとしても検討されます。なお、汲み上げられる深さや水量は製品と井戸の条件によって異なります。
これに対して、電動井戸ポンプは、モーターを利用して継続的に給水する装置です。自動運転に対応した機種なら蛇口の開閉に合わせて運転するため、家庭内の複数の給水設備にも適しています。
ただし、手押し式へ交換すれば必ず災害対策になるわけではありません。既存の井戸径、配管、井戸水位、取り付け場所に適合するかを確認し、日常利用と非常時利用のどちらを優先するか整理して選びましょう。
井戸ポンプの種類
電動井戸ポンプは、地下水の位置や汲み上げ方によって主に浅井戸ポンプ、深井戸ジェットポンプ、深井戸水中ポンプに分けられます。いずれも井戸水を地上へ送る装置ですが、設置方法や対応できる吸上高さには違いがあります。
以下では、それぞれの特徴を見ていきましょう。
浅井戸ポンプ
浅井戸ポンプは、比較的浅い位置にある地下水を、地上に設置したポンプで吸い上げる方式です。家庭向けの機種では、吸上高さ7~8m程度までに対応する製品が見られます。構造が比較的分かりやすく、庭の散水から家庭内の給水まで用途に合わせた機種を選べる点が特徴です。
ただし、井戸の底が浅くても、渇水期に水面が下がると十分に吸い上げられない場合があります。また、吸込管のひびや接続部分の緩みにより空気が入ると、給水が不安定になることもあります。
既存のポンプと同等の出力でも、配管条件が変われば水量に差が生じるため、交換時は仕様を比較しましょう。
深井戸ジェットポンプ
深井戸ジェットポンプは、地上のポンプと井戸内に設置するジェット部品を組み合わせて、深い位置の地下水を汲み上げる方式です。井戸の内部で水を循環させて吸い上げる力を補助し、浅井戸用ポンプでは対応しにくい水位にも対応します。
例えば、地上に本体を置きたい場合や、既存設備がジェット方式の場合には、交換候補の一つです。一方、ジェット部品の種類や配管の本数は機種によって異なるため、本体だけを取り替えても適合しないことがあります。また、深井戸用の配管を引き上げる作業が必要になる場合もあり、交換時には井戸内部の部品まで確認することが欠かせません。
深井戸水中ポンプ
深井戸水中ポンプは、モーターを備えたポンプ本体を井戸の水中に設置し、地下から水を押し上げる方式です。地上から吸い込む方式とは異なり、深い井戸でも機種の性能に応じて安定した給水を目指せます。
また、主な駆動部分が水中にあるため、地上に設置するポンプの運転音が気になる場所でも検討しやすい点も魅力です。ただし、井戸の内径が狭い場合や、砂が多く混入する井戸では設置できる製品が限られます。
なお、交換の際はポンプを井戸から引き上げるため、ケーブルや揚水管の状態、引き上げ作業のスペースも確認する必要があります。
井戸ポンプの選び方
井戸ポンプを選ぶ際は、価格や本体の大きさだけで判断するべきではありません。設置条件を確認し、使用目的に適した性能の機種を探しましょう。
以下では、井戸ポンプを選ぶ際に押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
井戸の水位を確認する
井戸ポンプの選定では、井戸の底までの深さだけでなく、水面がどの位置にあるかを確認します。特に重要なのは、ポンプの運転によって水位が下がった時の水面と、ポンプ設置位置との高低差です。
例えば、井戸の深さが20mでも水面が地表近くにあれば、条件次第で浅井戸用ポンプを検討できます。一方、底がそれほど深くない井戸でも、吸上高さが製品の許容範囲を超えると給水が難しくなります。
また、季節や降雨量によって水位が変化する点にも注意が必要です。正確な水位が分からない時は、井戸の構造を把握した水道修理業者に依頼しましょう。
必要な水量・水圧を確認する
井戸ポンプに求められる性能は、どこでどれだけ水を使用するかによって変わります。庭の散水だけに使用する場合と、キッチンや浴室など複数の蛇口へ給水する場合では、必要な水量と水圧が異なります。そのため、同時に開く蛇口の数や、2階まで水を送る必要があるかを整理しておきましょう。
なお、水圧を重視して大きな機種を選んでも、井戸から供給される水量が不足していれば安定して運転できません。井戸の能力と家庭での使用量を合わせて考えてみてください。
設置場所と配管を確認する
ポンプを交換する場合は、本体を置くスペース、吸込管や吐出管の位置、配管径を確認します。後継機でも接続口の位置が違えば、配管の延長や取り替えが必要になることがあります。
屋外に置く場合は、雨水の侵入や凍結、直射日光などの影響を受けにくい環境を整えましょう。ただし、製品によっては屋内設置を前提としているものもあります。
また、深井戸用では、周囲に点検や交換のための作業スペースも確保しておきましょう。
電源の電圧・周波数を確認する
電動井戸ポンプには、単相100Vや単相・三相200Vなど、機種によって異なる電源仕様があるため、既存のコンセントや配線が新しいポンプに対応しているかを確認しましょう。
また、電源周波数が50Hzと60Hzで分かれる機種もあれば、両方に対応する機種もあります。購入時には製品の仕様と設置先の電源条件を照合することが欠かせません。
なお、電源が合わない機種を無理に接続するのは避けてください。故障や事故につながるおそれがあります。
災害時に井戸ポンプが果たす役割
井戸は、災害によって水道水の供給が止まった時に、生活用水を確保する手段の一つになります。利用可能な井戸とポンプがあれば、トイレの洗浄や屋外の掃除などに水を役立てられる場合があります。
ただし、電動井戸ポンプは停電すると原則として動かないため、井戸があるだけでは十分とはいえません。非常用電源を利用する場合も、起動時の消費電力や接続方法が適合するかを事前に確認する必要があります。
さらに、地震や大雨のあとには、井戸水へ汚れや細菌が混入するおそれがあります。見た目が透明でも飲用に適するとは限らず、災害後は水質検査や自治体の案内を確認するまで飲み水として使用しないでください。なお、普段の水質検査で問題がなくても、災害後の安全性が保証されるわけではありません。
井戸ポンプのメンテナンス
井戸ポンプを長く使用するには、運転音や水圧の変化、水漏れの有無を定期的にチェックすることが役立ちます。例えば、普段と比べて運転時間が長い、ポンプ周りが濡れているなどの変化は、部品の劣化や配管の不具合を知る手がかりになります。
また、屋外設置の場合は、周辺に落ち葉やごみが溜まっていないか、通気口が塞がれていないかを確認しましょう。寒い時期には、配管や本体の凍結を防ぐため、メーカーの取扱説明書に従って保温材などを点検します。保温材が破れた場合は補修し、ポンプの周辺に水が溜まらないようにしておくことも予防につながります。
ただし、感電や急な作動を防ぐため、通電したまま内部を分解する作業は避けてください。砂こし器の点検や呼び水の補給も、対応機種かどうか、取扱説明書の指示を確かめてから行います。
なお、飲用している井戸水については、ポンプの点検とは別に水質管理も欠かせません。
井戸ポンプによくあるトラブル
井戸ポンプの不具合は、モーターの故障だけでなく、井戸水位の変化や配管の不具合でも起こります。症状が似ていても原因によって対処方法が違うため、慌てて本体を交換する前に状況を整理してみてください。
例えば、水が出ない場合と運転が止まらない場合で、確認すべき場所が異なります。主な症状と注意点は以下の通りです。
水が出ない・水量が少ない
蛇口から水が出ない場合は、停電やブレーカーの状態、ポンプの電源表示を確認します。電源が入っていても水量が少ない時は、井戸水位の低下、吸込管からの空気の混入、フィルターのつまりなどが原因の候補です。
また、しばらく使用していないポンプでは、機種によって呼び水が必要になる場合があります。ただし、取扱説明書に記載のない操作を試したり、空運転を続けたりするのは控えましょう。
家全体で水が出ないのか、特定の蛇口だけなのかを確認すると、ポンプ側と給水設備側の不具合を切り分ける手掛かりになります。
ポンプが頻繁に動く・止まらない
蛇口を閉めているのにポンプが何度も起動する場合、給水管や接続部からの水漏れ、圧力を検知する部品の不具合などが考えられます。小さな水漏れによる圧力低下も、自動運転が頻繁になる原因の一つです。
一方、水を使用していないのに運転が止まらない場合は、水位低下や吸込側の空気混入などで十分な圧力を確保できていない可能性があります。
運転を続けるとモーターに負担がかかるため、異常が続く時は安全に電源を切り、状態を確認してください。内部の圧力調整を自身で変更することは避けましょう。
異音・振動・発熱がある
これまでと違う金属音や大きな振動が出ている場合は、モーターの軸受けの摩耗、羽根車の損傷、固定部分の緩みなどが疑われます。また、水を十分に汲み上げられない状態で運転すると、通常とは異なる音が発生する場合もあります。
本体が異常に熱い、焦げたような臭いがする時は、無理に運転を続けないでください。感電や故障の拡大を防ぐため、濡れた手で電源に触れず、安全を確保して運転を停止します。
ただし、運転音には機種ごとの差があるため、異常とは限りません。普段との変化や発生時期を記録しておくと、点検時に状況を伝えやすくなります。
井戸ポンプの修理・交換を検討する目安
井戸ポンプに不具合が起きても、必ず本体を交換する必要があるとは限りません。配管の接続不良や交換可能な部品の故障であれば、修理で改善する場合があります。
一方、長年使用したポンプで水漏れや異音が重なっている場合、複数の部品が劣化している可能性があります。修理後も別の箇所で不具合が起きるおそれがあるため、本体交換も選択肢の一つです。
また、メーカーの補修部品が入手できない場合や、修理費が新しいポンプへの交換費に近づく場合も、取り替えを考える目安になります。単に使用年数だけで判断せず、故障箇所、部品の供給状況、井戸との適合性を確認しましょう。
なお、水が急に出なくなった時は、ポンプ以外に原因があることも考えられます。点検を行い原因を特定してから、修理と交換の見積もりを比べてみてください。
井戸ポンプの設置・交換費用
井戸ポンプの設置・交換費用は、ポンプ本体の価格と取り付け作業費が中心です。さらに、既存ポンプの撤去、配管の加工、電気工事、深井戸内の部品交換などが必要になる場合もあります。
以下では、販売店や水道修理業者の公開情報を参考に、金額の目安と見積もりで確認したい項目を解説します。
井戸ポンプの本体価格
家庭用浅井戸ポンプの本体価格は、出力200W前後の販売例を比較すると、中央値は10万円程度が一つの目安です(令和8年10月時点)。なお、これは複数の販売価格から求めた参考値であり、すべての機種に当てはまる金額ではありません。
一方、深井戸水中ポンプは構造や必要な性能が異なるため、選ぶ機種によって本体価格が大きく変わります。家庭用の販売例から求めた中央値では、18万円程度となる比較例もあります(令和8年10月時点)。
また、ポンプ本体に制御機器やジェット部品が含まれるかによって購入品が変わるため、セット内容の確認も欠かせません。製品代は出力や井戸の条件で変動するため、交換前に見積もりで部品の内訳を確認してみてください。同じ出力でもタンクの有無や制御機能が異なるため、価格だけでなく必要な性能を見比べることが基本になります。
設置・交換の工事費用
既存の井戸ポンプを取り替える作業費は、公開されている交換工事の掲載例を基にすると、4万円程度が目安です(令和8年10月時点)。なお、複数の掲載料金を単純平均した参考値であり、実際の工事代金を保証するものではありません。
ただし、配管の位置が合わず取り替えが必要な場合や、深井戸の水中ポンプを引き上げる場合は、作業が増えるため金額も変わります。新規設置では、配管工事や電源の整備が別途必要になることがあります。
見積もりでは、本体代、作業費、既存設備の処分費、追加部品代、出張費を分けて確認しましょう。特に深井戸では、引き上げる揚水管や電線の長さ、井戸内部の状態が作業費を左右する要素です。
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井戸ポンプの修理・交換ならえひめ水道職人へ
井戸ポンプの水量低下や運転異常は、本体の故障だけでなく、吸込管や給水管の不具合が原因になっている場合もあります。原因を確かめないまま取り替えると、新しいポンプでも十分に水が出ない場合があるため注意が必要です。
えひめ水道職人では、愛媛県内の井戸ポンプの故障や交換を含む水回りのトラブルについてご相談を受け付けています。松山市や西条市、伊予郡松前町などで井戸ポンプの交換にも対応してきました。
また、現地で状態を確認したうえで作業内容とお見積もりをご説明し、ご納得いただいてから作業に進みます。井戸ポンプの修理・交換費用は設備の状態によって異なるため、まずは症状をお聞かせください。
お問い合わせは365日24時間いつでも受け付けておりますので、井戸ポンプの不具合にお困りの際は、えひめ水道職人へお気軽にご相談ください。
※本記事でご紹介している方法は、一般的な対処法の例です。
作業を行う際は、ご自身の状況や設備を確認のうえ、無理のない範囲で行ってください。
記事内容を参考に作業を行った結果生じた不具合やトラブルについては、当社では責任を負いかねます。
少しでも不安がある場合や、作業に自信がない場合は、無理をせず専門業者へ相談することをおすすめします。













